予定時刻に終了したので、14時にニシリクさんとはお別れ。
素晴らしいお仕事を見せて頂き、ありがとうございました。
設置完了。
設置場所は、どこに置くか決めるために調律師さんが来て下さり、その時決めて下さった場所でです。サイズからすると、もっと部屋を圧迫するかと思っていましたが、意外とスペースがありました。
その直後、調律師さんが、私から届いた携帯電話のメッセージを読み、苦笑しながら玄関に立っておられました。
「もう終わっちゃったんですね、車内で時間調整してました。これからだと思っていたら終わってたんですね。立ち会うって伝えてなかったからなぁ〜。」時間が早くなる連絡、私には届いていたのですが、てっきり調律師さんにも届いているものだと思っていたのでした。あ〜失敗、お伝えしておけば良かった!!実は「搬入から立ち会います。」とおっしゃって下さっていたのです。普通ですと、設置されてから来られるパターンが多いそうで、ピアノの先生が、「そんな調律師さんおられませんよ。とても良い調律師さんに担当して頂けて良かったですね。」とおっしゃって下さるくらいだったのです。
そんな話から始まり、不安な気持ちで長い時間待ったかと思えば、急に包まれ、吊られ、下ろされ、倒され、設置され、と這々の体であろうピアノは、心地良く調律師さんに身を任せます。部屋は比較的音が響くので、その中でも一番響かない場所へ設置して頂きました。
音の第一印象は あら、あなた 案外大人っぽい音がするのね でした。
DIAPASONのアップライトは、キラキラしたまっすぐ明るい音で、娘はその音が好きでした。ただタッチが少々固く、ピアノのレッスンで使用するグランドピアノとの差をどんどん感じ、その違和感に二人共困っていました。それがピアノの購入に至った大きな理由の一つ。そして何より、ピアノの先生のお話から受ける影響も大きかったです。グランドピアノを購入するに値する実力を兼ね備えていない私たちには身分不相応だと思っておりましたし、そんな事が自分の人生に起こるとも、まさか思っていませんでした。
見た目の重厚さに比べて、タッチが軽く弾きやすい。このピアノはどなたも弾いておられないのに、訳あって何度も調律をしてもらっている、そんな状態。これからどんどん音は成長と共に変化していくそうです。
選んだピアノは YAMAHA、C3X
グランドピアノの購入を考えた時に、私の中ではヤマハにしよう、決めていました。
そして、試弾の為、某店を訪れた際、C1X、C2Xと順番に弾き、「コレが一番弾きやすい!このピアノにする!」と娘がC3Xを即決しました。その後、C5Xへ行こうとするので「多分、サイズが大きくてお部屋に入らないと思う(汗)」と遮り、スタッフさんが違うスタインウェイを弾かせて下さりご満悦、ナイスアシスト☆
ピアノをどの様に購入しようか、ピアノの先生にも相談しましたし、インターネットで沢山検索もしました。その中から辿り着いた答えは、信頼できる調律師さんのおられるお店、でした。調律に来て頂く事で、今後も長いお付き合いになるからです。
調律師さんがおられるお店は、私が調律の事で悩んでいる時に、ピアノの先生が「良い調律師さんが沢山おられると伺ってますので。」とおっしゃって下さった大阪の有名老舗店。自分で連絡をし、去年から調律に来て頂いています。
そこで、お世話になっている調律師さんに「グランドピアノの購入を考えています。キャンペーンやセールがあれば教えて下さい。もしくは状態の良いリニューアルピアノがあれば、その情報も頂いて、新品と平行で考えていきたいです。購入は営業さん経由であればご紹介下さい。」とお伝えしました。しばらくしてクリスマスセールのお知らせが届き、「春には選定会があるかもしれません。」とのお話も頂きました。そうしたら3月くらいかなぁ〜と思っていたところ、すぐに今回のお話を頂き、夫と急いで大阪のお店へ現物のピアノを見に伺いました。(ちなみに調律師さんが購入における全てを担当して下さいました。それは大変ありがたいことでした。)
お店の一番奥のお部屋に鎮座していたとても美しいピアノは新品にしか見えず、全くリニューアルピアノに感じません。不思議に思っていると、「実はどなたの手にも渡っていないリニューアルピアノなのです。」ということでした。「どんなご事情がおありで?」と失礼を承知で伺うと、調律師さんが少々ミステリアスな事情をお話して下さいました。(内容は割愛致しますが、お知りになりたい方は個人的に。)でも私にとっては、我が家へ来るべくして来る事になった、そんな運命のピアノだと思いました。(こういうところは非常にポジティブ☆)ですので、お話を聞いても全く臆することなく、むしろ喜んでその場で契約書にサインし、帰宅しました。リニューアルピアノとしての販売でしたが、品物自体は全くの新品、なんと不思議なこと。
ピアノを入れてしまったら、部屋を替えたくても替えられなくなる。ならば今しかない!ということで、工務店さんにお願いし、年明け早々のリフォーム工事を依頼。アップライトピアノの行き先も沢山の方々のご協力によって決まりました。
アップライトが引き取られ、部屋の工事が済み、ピアノが家にないその間はスタジオを借りて練習したり「使っていいですよ。」とおっしゃって下さったお宅へ二人でお邪魔させて頂き、練習させて頂きました。限られた時間の中で二人っきりで練習したことは、とても良い経験でしたし、色々なピアノを弾かせて頂いたこともその中の一つ。どのピアノにも個性があり、音やタッチが違います。
調律は二時間半じっくりと丁寧にして下さいました。部屋に戻って娘が試弾すると、なんとさっきとは違い、部屋に合う音と響きになっていました!調律師さんってすごい!!感動!!低い音から高い音まで、軽やかで細やかな音が響きます。なんともヤマハらしい音。
ところで、娘は、いつも大切な物に名前と性別を付けます。ピアノには リモ と名付けました、女の子だそうです。小学校のクラスで飼っていたヤモリを、生き物好きの娘は大切にお世話してきたそうなのですが、残念ながら亡くなってしまいました。その魂をピアノに託し、同じ名前にしたのでしょうか、なんとも娘らしいエピソードです。これでヤモリのリモちゃんの事もずっと覚えていられるもんね。
ピアノの先生から「豊潤な世界へようこそ。」調律師さんから「赤ちゃんのピアノですので、お二人で大切に育ててあげて下さい。」との御言葉を頂きました。赤ちゃんを育てる=責任重大!!
ここに至るまで、両親や弟、またご近所さんにも何かと迷惑を掛ける事が多かったです。それでもみんなが見守ってくれました。そして夫はいつも私が決めることに賛成してくれました。人生において、自身を信頼し、賛成してくれる人が傍にいるということはこんなに心強いのだ、と改めて実感しています。
この数ヶ月、沢山の方々のお力添えと不思議なご縁、そしてタイミング等の全てがかみ合い、この日を迎えることが出来ました。そしてここからが娘と私のスタートです。整えて頂いた環境に感謝し、練習を重ね、益々ピアノを愛し、揃って上達していきたい、と心より願っております。
いらっしゃい、ようこそ、我が家へ。
長い間、お待たせしました。仲良くしましょう。
これからどうぞよろしくお願いしますね。