2020.01.13 Monday
ありがとう、いってらっしゃい。
娘がピアノを習いだしたのは年少の春。
とりあえず電子ピアノを買ってみましたが、半年後、アップライトピアノを購入することになりました。
先生にもアドバイスを頂きながら同行して頂き、娘が決めたのは、DIAPASONのピアノでした。型式が新しいピアノではありませんが、前のお家ではほとんど弾いておられず、アクセサリーの様に美しく飾ってあったピアノだと伺いました。状態も良い物だとおっしゃったので、ありがたく購入させて頂きました。
ピアノカバーはピンク色で、アリスという名前が書いてあったので、アリスちゃんと呼ばれておりました。娘は一般的な黒ではなく、ダークブラウンが特に気に入った様子でした。時を同じくして、私も30年ぶりにピアノレッスンへ通うことに。それから五年半、娘と笑ったり泣いたりしながら、一緒に時を過ごしてきました。
発表会、連弾、コンクール、そして毎日の練習・・・
沢山の思い出があるね。
最後の練習をする娘。
予定時刻より一時間早まると連絡を受け、少ししか練習できませんでしたが、感謝の気持ちを込めて、拭き掃除をしました。
記念撮影。
ありがとう、アリスちゃん。
そして、
様々なご縁が重なり、とても良い方にもらって頂くこととなりました。
雨の心配をよそに、晴天に恵まれた休日の朝。
娘も見送ることが出来ました。
手際良く包まれ、クレーンで吊されます。数時間後には、新しいお宅へ設置されたとご連絡を頂きました。無事に到着して良かった、ホッ♡
手放す事を決めてから一ヶ月弱。
業者さんに買い取って頂いて、知らない方のところへ行くのではなく、娘が会いたくなった時に、会いに行かせて頂ける個人のお宅にもらって頂きたい、それが娘と私の願いでした。私たちが大切にしてきた様に、大切にして下さる方にお譲りしたかった。その願いを周りの方々が叶えて下さいました。私は何もしていないのに、皆さんが我が事の様に愛情を持って、あっという間に次々と奇跡の行動を起こして下さいました。
こんなミラクルがあって良いものかと感謝すると共に、別れへの寂しい気持ちも強く感じます。本来であれば、まだまだ一緒に過ごすはずだったピアノ。私たちを少しずつ成長させてくれたピアノ。出来ればこのまま家に置いておければ良かったのですが。でも、新しいお家で、今までの様に。透き通る様なまっすぐな音をきっと奏でてくれていると思います。
アリスちゃん、今までどうもありがとう。
新しいお家で沢山弾いてもらって、可愛がってもらってね♪